新NISA、保険、親の相続…基礎知識があるから自分で動ける!
世の中様々な資格がありますが、一生武器になるのがFP(ファイナンシャルプランナー)だと思います。自分の子どもにも、大学生くらいになったら薦めるつもり。私の世代は、学校でも社会に出てからも、お金のことって教わってこなかったですよね。
無知ってとても怖いこと。今からでも、学ぶのは遅くないです。不安をあおるだけの偏った情報があふれていなかで、正しい情報を得るのが意外と難しいですよね。自分は小難しい海外投資家の本なんか読んで遠回りしましたが、体形的に広くお金の基本を学べるのがFP。20代で学んでおきたかったです。
今回は、非金融業界出身のアラフィフ専業主婦が、FP3級2級を取得して、どう役立っているかをご紹介します。
専業主婦がなぜFPを取得したのか
金融業や保険業で働く人なら、仕事上必要でFPをとらなければならないこともあるでしょう。でも、専業主婦がFPの資格をとっても、資格手当がつくわけではないし仕事に役立つわけじゃないのでは? 実際に勉強しようとしても、周囲から横やりを入れられるかもしれません。
まあ、資格手当はつきませんが、やりようによってはそれ以上の金額は十分残るようになります。節税や保険、不動産の売買、相続の場面でFPの知識を生かすことで、配偶者の年収分くらいの金額を浮かせることも不可能ではないと感じています。いや、結構本気で。
趣味としてのフラワーアレンジメントなんかの資格も、優雅で憧れます。ですが、これこそ趣味です。たとえお月謝を自分のおこづかいで捻出していたとしてもいささか気がひけます。これが、お金の資格なら家計にも、子どもの金融教育にも役立ちます。資格取得にも大したお金はかからない。やるしかない!
ある程度、自分でできるようになるよ
お金をかけたくないからFPの勉強は独学で(2級、3級とも)
FPの資格スクールもありますが独学で合格できます。詳細は別記事にします。
ただ、webで出てくるような3級なら2~3カ月というのはあてになりません。受験する人の属性や基礎知識にもよるります。そもそもぼーっとテキスト眺めてるだけで勉強時間としていたら、どれだけ長く時間をかけても厳しいです。
「3級合格に必要な勉強時間」
80〜150時間程度が目安。1日2時間勉強するのであれば、2〜3カ月程度。
「2級合格に必要な勉強時間」
150〜300時間が目安。1日2時間勉強する場合は、3〜5カ月程度かかる。
自分の場合は、FP3級は3カ月、FP2級で3カ月くらいですね。金融全般の知識がなかったので、3級で苦戦しました。なにせ「収入」と「所得」の違いが分かっていないところからのスタートでしたので、簡単といわれる3級の方が難しかったですね。
スクールに通わない代わりに、FP3級は市でやっていた無料講座を受けてみました。オンラインで受けられるもので、アーカイブメイン、2回ほどLIVEでしたね。予備校っぽい感じでしたが、基本「ここにマーカー引いて、ここ暗記」みたいな感じであまり効果的とは言えませんでした。テキストももらえたので文句言える筋合いではないですが。公的なサイトや経済番組で理解を補い、なんとか一発合格。
楽しくなったので合格後空即申し込んだ2級。今度は、YouTubeメインに移行。FP勉強動画で有名どころの「ほんださん」を入り口に、保険会社のパンフレットや日本証券協会のサイトで理解を深めました。テキストも市販の1冊のみ。模試だけ、1つ買いました。FP2級の本番では8割9割取れて余裕で一発合格。
主婦は時間の融通が利くので、資格試験の勉強に向いています。乳幼児がいたら厳しいですが(それでも合格している方もいて尊敬)、短時間で受かるのが目的ではなく、自分の家計に生かすことを目指していたので、寄り道しながら興味津々で勉強していました。自分の年金がどのくらいもらえるか、繰上げが得か繰下げで不利になることは? など自分事として考えると真剣にもなります。ホント、大人になってからの勉強楽しいですね。
経済ニュースが理解できる!保険や金融商品の勧誘にも余裕で対応
社会人になると日経新聞くらい読まないと…と一念発起するものの、耳慣れない経済用語についていけなくて挫折…なんて経験ありませんか。投資の時代と言われてその気になって口座開設するとします。特定口座と普通口座どちらにするか、配当受取は株式数比例配分方式でいいかなどとしょっぱなから訳わからないことの連続で、あきらめちゃいますよね。
FP2級をとってからは、大まかなところは経済ニュースも理解できます。ラピュタのムスカがやってた「読めるぞ…!」です。証券会社から先日電話があり「ほふりから連絡があって、○○の手続きどうします?」なんて言われましたが、慌てず対応できました。
銀行や郵便局で金融商品を勧められても、これは相手側が手数料で得するだけの商品だなとわかるので笑顔でお断りできます。結局、お金のことがわからなくて不安だから変なセールスに引っかかるんですよね。
ふるさと納税も枠内いっぱい利用し食費に貢献
ふるさと納税も「なんとなく怖い」と思って利用しない人がいます。制度の趣旨云々はひとまず置いておいて、寄付金控除の仕組みを理解していれば何も怖いことはありません。
きちんと適用されているかは、住民税決定通知書の摘要欄を確認するだけ。税の仕組みも大まかにわかっていれば、控除など必要な場面で使っていけます。
ふるさと納税も7年目くらいですが、定期便も利用しいつも冷凍庫は肉や生ハム、メンチカツなどが控えています。最近は日用品も増えているので利用しない手はありません。
公的制度を理解したので、保険は掛捨てのみでOK
社会人になりたての頃や、子どもができた時に、保険に入った方がいいかと悩みますよね。もちろん、子どもが小さいうちの備えとしても保険は有用です。
ですが、先の見えない未来に対しての不安をあおるような商品に飛びつくのはちょっと考えてからの方がいいかも。医療保険や個人年金的なものの、老後にかかるお金への不安から加入しておいた方がいいだろうと盲目的になってしまいがち。
実際に、自分が大病で手術や入院したと仮定して、医療費を試算すると意外と大したことがないと拍子抜けします。医療費が高額になれば、補助される仕組みがあるので個人負担分は月10万もしません。会社の健康保険によっては、月2万までの自己負担で良かったり。手術だって今は日帰りが多く、入院期間も短縮されています。
何より、20代30代から医療保険に保険料を払っていても、病気がちになる高齢期に医療事情がどう変わっているか予想できません。不確実な保険に数百万支払うなら、自分で運用したいです。というか、わが家はその方針で生命保険・医療保険は加入していません。
保険の仕組みがわかれば、保険でお金を増やそうとは考えません。だから、保険を利用するのは掛捨て保険だけ。
年金の仕組みを知り老後不安が少し解消された
年金の仕組みって複雑怪奇ですよね。知れば知るほど沼にハマるというか、つぎはぎだらけの制度というか。世の中の変化につれて対応させているので仕方ないとはいえ、今後もどんどん変わっていくでしょう。
とはいえ、支払った分もらえないかもしれないから払わないというのは早計。国民保険は国がやっている保険のような役割も果たしています。だから、収入が少なくて余裕がないなら払わないのではなく「免除申請」を。若年者の納付猶予制度とか、大学生は使って欲しい。
役所関係のことは無視しているとペナルティがありますが、できない理由を申請すれば何らかの救済制度があります。とりあえず、相談しましょう。
マイナポータル経由で、自分が65歳からいくら年金がもらえるかの試算ができます。年金だけでは生活費にいくら足りないのかわかれば、対策のしようがあります。IDECOとか退職金、資産状況を併せてざっくりとでも老後資産を把握しておくと、ムダに不安をあおられることはなくなります。知ること大事。
健康保険を使い倒せば民間の医療保険はいらない
出産で入院した方なら利用したと思いますが、高額療養費制度で自己負担はかなり抑えられます。自己負担分は所得によって計算するため、支払えないくらいの金額にはなりません。
ケガや病気で働けなくなった時の手当てやなども、公的保険でカバーされています。さらに勤め先の健康保険組合でより手厚い補助を行っていることもあります。自分も、組合員対象の無料の健康カウンセリングをたまに使っています。民間なら5000円ですから、ありがたい。予防接種や人間ドックもほぼ補助してくれます。民間の保険もいいですが、まずは自分が使える制度をひととおり把握すると無駄な出費が減ります。
新NISAも理解することで実際に動ける
ニュースを眺めていて感じますが、これから日本は「資産運用立国」と銘打っていくらしいです。新NISAは一部のマニア向けの投資商品というようりも、国を挙げての施策なので乗っからざるを得ないでしょう。
新制度になって生涯非課税限度額が1800万円に枠が広がりました。制度をフル活用して資産運用できれば、老後2000万問題もさほど深刻に考えることもないような。
調べてみると、わからないことがボコボコでてきて「もういいや」となりがちですが、最初からベストを求めない。小さな資金でできるところからやってみる。失敗したらそれを糧にして試行錯誤。自分もまだまだ勉強中ですが、いきなり退職金を全額突っ込んで失敗するよりましですよね。時間を味方にしましょう。
REITや個別株も復活しようかと銘柄検討中
物価がどんどん上がり貨幣価値が下がる中、現金だけで資産を持っていてもジリ貧となるだけ。もう難しいとか面倒くさいと言っていられません。
政府が大盤振る舞いの新NISAを恒久的に行うというのは、「もう年金では面倒見切れないから自分で運用して老後資金をつくってね」というメッセージと受け止めています。
個別株は25歳くらいから、大手証券会社で担当さんつけてもらってやっていました。親の紹介でちょこちょことですが。ただ、ネット証券のない時代、電話で買いの注文とか入れていた時代。なかなか、ね。
今は手数料も激安ですし、板もスマホから見れます。ツールもそろっていますし、小額投資も可能。ポイントでも投資できるのですから、やらないのはもったいない。小額で練習がてら売り買いして経験つめるのはいい時代で若い人がうらやましいです。
とりあえず、新NISAでは証券会社を移動して個別株とREIT入れて遊んでみようかなと画策しています。歳なので基本は積み立て投信ですが。
義父が他界したときも相続や不動産の登記で対応できた
ここ1,2カ月のことですが、義父が他界し死後の手続き関係に夫が奮闘していました。身内で集まって親族会議を、年金の手続きや不動産の名義変更、株券の扱い、銀行口座の扱いなど話し合いました。私の知識でも理解でき、結果すんなりとまとまりました。
相続登記は司法書士に依頼することが一般的かもしれませんが、夫がわかると言うので自分でやっていました。知識はいざという時に役立ちます。もちろん、節約にもなります。
終活時に使える税制上有利な制度を把握できた
相続税などは一部の富裕層のお話ですが、一般市民にも使えそうな節税の制度はあります。自分の終末期にどのような制度になっているかという問題はありますが、ある程度の対策は立てられます。
お金持ちが現金ではなく土地やアパートで子どもに遺すというのも、税金の仕組みを知れば納得できます。抜け穴的な制度はどんどん改正されていきますが、知らないだけで多額の税金を支払うことだけは避けたいです。他人のお金の話を聞いて、(あと2年待っていれば、100万ちょい節税できたのに…。)などと思えるようになりました。知らないって怖い
まとめ:FPは役立つ! 資格を武器に家族を守ろう
お金に関する知識ができたことで、漠然とした将来への不安が減りました。
老後問題もわからないから不安になるのであって、社会保険や年金の仕組みを知ることで現状を把握できます。ライフプランで現状と将来を具体的に考えることで、必要な保障や資産も見えてきます。
もしもの時も、遺族年金や相続など身につけた知識で家族を守れると思います。もちろん、日々の家計の見直しや投資にも役立ちます。
独学なら1万円ちょっとと3カ月くらいの時間があれば、一生モノの武器が身に付きます。家族を守る主婦に、自信を持っておすすめします。